ここだけの話
大泥棒
先日、フランスのとあるブランデーメーカーのスッタフと話をする機会があった。
1時間にレギュラーボトル(700ml)が1本盗まれる。
いかなる監視をしても、姿を現さずに持ち去っていく。
年間の被害は、2000樽が30数棟に分けて眠っているが、60樽すなわち1棟分に
相当するという。冬場は2%、夏場は4%、年間をでは3%盗難に遭う。
その犯人は・・・
天使の分け前といわれる大自然の大泥棒。
天使と悪魔は紙一重かも。
ブランデーの飲み方
本場コニャック地方では白葡萄のジュース割りなどで楽しまれていることがある
果物などとの相性が良いのでジュースや ソーダ・ジンジャーエールで割るのも一つの方法
バブル時代 クラブなどで売上を上げるためメロンを半分に割り種を取り除いたところにブランデーを流し込み
ストローで飲むといったことがありましたが これはおすすめしません
マール
フランスのワインを醸造する際に生じるブドウの搾りかすを蒸留して作られる酒
イタリアではグラッパ フランスのなかでもブルゴーニュ・シャンパーニュ・アルザスが
三大マールの原産地と言われている 天然の香りと味が楽しめる酒ですが
食後にグッと一気で飲むのが一般的な飲み方と紹介する人もいて ワイルドな酒かも
最高のブランデー ポール・ジロー
9月6日 小雨が降りしきる京都木屋町でポール・ジロー氏の来日記念セミナーが開催された
まずジロー家は400年前からグランド・シャンパーニュ地区の中心ブートビル村で代々農業を営んできた
1800年代の後半からコニャックの生産を始め 現在では世界中に多くのファンを持つ作り手
大手メーカーが機械化されているのに対し ジロー氏は殆どの行程を手作業で行う
所有面積35ヘクタール 年間25000~30000本が売られている
フィロキセラなどの害虫から犯されないように強い葡萄を作る
1歳樹は根をアメリカのユニブラン 上はフランスのユニブランを接木する
ジロー氏は毎日畑を一つ一つ回り自分の目で生育具合を確認
その丁寧な作業によって傷も変色もない粒がそろった美しいユニブラン(葡萄の品種)を
全て2週間かけて手で収穫する
土壌は石灰質 水はけがよく乾いた土壌が 酸味が高くアロマをぎゅっと凝縮させた
非常に良質なコニャックを生み 長期熟成をすることによって開花する
コニャックは自然の賜物とジロー氏は考え 常にコニャックと向き合うこと
自然に従って決して無理はさせないこと これが一番であると語る
蒸留の際には24時間ベットを持ち込んで泊まり込みで行う
30分ごとに状態を確認する作業が続く
セラーは底が粘土質でさらに湧き水があり高い湿度を保てる環境にある
それによって甘い熟成したコニャックが出来上がる
小柄な体型だが発する一言一言に情熱を感じた
モダン・クラシックの鮮烈 CAMUS
日本では低迷が続くブランデーの市場だが世界では最近5%の伸びを示している
以前はグラスの手のひらで受け温めて香りと共に愉しむ食後酒の代表だったブランデーが
最近はソーダ割りやカクテルの需要が増して食前酒にも使われるようになったからだ
CAMUS
5代目当主シリル・カミュがこの度来日
カミュは現在大手コニャックメーカーとしては世界で唯一 家族経営をつらぬいているコニャックの名門
日本では3位の実績を誇る
1836年ジャン・バティスト・カミュによって創業 コニャックとしては遅い
優れて現代的なセンスをもつインターナショナルブランドを築くために
3代目の祖父 4代目の父は代表の座を30才代で後継に引き継ぐ
5代目も32才で代表に就任 またマーケティング活動に力を入れており
イギリス・アメリカ・中国香港に支店を配置している
コニャック地方でも最も希少とされるボルドリーの大地の恵みからうまれたカミュ
フローラルであり軽やかに仕上げられている
ウッディ・タンニンを控えることによって20~50才代の若い年齢層にターゲットを絞っている
シリル氏は高い品質を保ちながら革新を行う中で
「フルーティーかつアプローチしやすいライトさが時代」と語る
瓶などにも工夫がこなされていて コルクからスクリューキャップへ
さらにキャップはメジャーカップとして利用出来る
~分かち合うことの喜び~
どんな時 どんな場所でもコニャックを ただし朝食時はあまりお薦めは出来ませんが
概念にとらわれずジンジャーエール割りやトニックウオーター割りも
愉しんで欲しいとシリル氏は提案する
COGNAC Paul GIRAUD ~Evolution tour 2009~
2006年初来日から2度目の来日 ポール・ジャン・ジロー氏
所有面積・2つの農園 35ヘクタール 葡萄品種・ユニブラン 収穫に要する日数・2週間
醸造形式・自然発酵(大手はイーストを用いる) 醸造用タンク・18基
蒸留器・2基(1400lと1800l 少量づつ24時間かけて蒸留 ベットを持ち込んで
泊まり込みで監視)
9リットルのワインから1リットル70~72°のブランデー原酒が出来る
樽の容量・350~600l 1年間に詰める樽数30~50樽
ジロー氏がコニャックに対して抱き続ける考え「コニャックは自然の贈り物」
自ら全ての行程を手掛け 膨大な時間と労力をかけながら丁寧に生産している
「私がしていることは特別な事じゃない 代々続いてきたことをやっているだけさ」と語る
セラーは5つ 築300年以上 熟成中に蒸発するアルコールで壁や天井は黒ずみ
セラー内には湧き水が出ているところもあり 自然な湿度を保っている
新月の3日前にキノコが生えると数日後には葡萄畑に悪影響をおよぼすキノコが出来る
長年にわたる経験を生かし 小さな変化も見逃さずに事前に対処する
「良いコニャックを作るのは人じゃない テロワールと時間だ」と語るが
私にはジロー氏の高きプライドと情熱にあると思う
2000・1998・1995・1986・1979・1973・1962・1959の原酒をテースティングさせていただいた
1995は小さめの樽で熟成 1986は大きめの樽で熟成
蒸留したての原酒を味わい樽の大きさなどは決めるそうです
1959は最古のビンテージ あるジャーナリストは口に含んだ印象を
「孔雀が羽を開くようにアロマが広がる」と表現したそうだ それ以上にゆたかでした
若いビンテージは華やかだがアルコールもたっている
79・73あたりは滑らかで甘くてまるい 62・59はコクの中にスパイシーな感じがある
2007・2008年は雨が多すぎたそうだが 2009年は雨量 温度共に
理想的な気候が整ったとわくわくしている様子が窺えました